最近、印刷通販を直接発注されるお客様から、ご相談というかヘルプというようなことを頂く機会が増えております。ということで解決のためのヒントになれば。
よくあるミス
私が実際に扱ってきたものの中で、よくあるエラーとその解決法です。イラストレーターベースの話がメインになりますが、他のアプリケーションでも、最終的にはPDFで入稿!というパターンも多いはずなので、少なからず参考にはなるかと思います。
色の問題
印刷は基本的にCMYKという四原色を使ってカラーを表現します。ディスプレイなどの表現に使うRGBとはこの点が違います。印刷=CMYKで!と覚えておいてください。最近はRGBで入稿してもCMYKに変換していただける業者さんもあるのでそれほど心配はないかもしれません。でも!基本はCMYKです。これでデータ制作を行えばまず問題ありません。
追記2023/12/7)先日プリントパックさんのページを眺めていたら、RGB印刷を取り扱っているとか。グラフィックさんあたりも取り扱っているのでしょうか?通常のCMYKにプラスビビットピンクとビビットグリーンを追加して6色で印刷するというものらしいです。インクジェットプリンターのような感じでしょうか。最近のデジタル印刷機はすごいことができちゃうんですね。RGB印刷の特色としては画面同等の仕上がりが期待できるとのこと。私は使ったことがないのでよくわかりませんが、使用インク数が増えて品質が落ちることはないと思うので、繊細な色使いとか、CMYKでは表現しきれない色の調子が再現できるのではないかと思います。
サイズが違う
サイズ違いは意外とあります。この場合はどうにもならないのでほとんどの場合入稿不可になると思います。チェックしたい点は
- 印刷会社提供のテンプレートデータを使っているか
- テンプレートじゃなければ、ドキュメントサイズが間違っていないか。
- 使っている画像やオブジェクトがドキュメントサイズをはみ出していないか。
- PDF化した際に拡大縮小などでサイズ間違いをしていないか
このあたりをチェックしてみましょう。手っ取り早いのは印刷会社提供のテンプレートで作り直すこと。入稿エラーがかかったデータから、コピペでテンプレに持ってきます。それで入稿してみると案外あっさりできたなんてこともあります。
張り込んだ画像が大き過ぎてドキュメントサイズが大きくなっちゃったパターンは、どうしようもないです。対処としては、印刷しない部分のハミ出た画像をカットすること。利用しているアプリケーションによって対処方法が違うので確認してみましょう。
1番多いのは、PDF化したときに拡大縮小などにチェックが入っていて勝手にサイズが変わってしまうこと。サイズが等倍(100%)になっているかの確認をしてみましょう。
フォントの問題
基本としては、アウトライン化(フォントアウトライン)するのがベスト。できない場合はフォント埋め込み。このどちらかを行えば解決します。確かワードからPDF化する際にはフォント埋め込みはチェックボックスがありますよね。これをチェックするだけです。
アウトラインとは簡単に言うと図形化です。文字のフチをパスで囲ってあげる加工のこと。一旦図形化したものは、どこにデータを持って行っても図形のままなので、フォントの環境は関係なくなります。
PCのアプリケーションで使うフォントというのは、基本的にPCのフォントに依存しています。簡単に言うと、自分のPCに入っているフォントで正しく見えても、他の人のPCでそのフォントが無ければ違うフォントで置き換えるか、置き換わらないか。これを「文字バケ(化け)」と言っています。印刷会社では通常ほとんどの市販フォントを所有していたりしますので、例えば代表的なもので言うモリサワさんのフォントなどは、埋め込みもアウトライン化を忘れても対応できたりします。が、やはりそうであっても文字化けはとても怖いです。なのでアウトライン化もしくは埋め込みは印刷データを作る上で必須となります。
以上です。また何か見つかったら追記していきます。